俺に父親てておやがあるとしたら、それは俺の敵かたきじゃ。
菊池寛父帰る」(1917)
どうせ死ぬのだと思うと、そこに世間もなければ主従もなかった。
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
二十一年の大誓願、端なくも今宵成就いたした
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
夜になると毎晩家うちの前で立っていたんじゃが、敷居が高うて入れなかった
菊池寛父帰る」(1917)
市九郎は、主人の切り込んで来る太刀を受け損じて、左の頬から顎へかけて、微傷ではあるが、一太刀受けた。
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
ただそこに、晴々した精進の心があるばかりであった。
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
のたれ死するには家うちは要らんからのう……
菊池寛父帰る」(1917)
一刻も早く自分の過去から逃れたかった。彼は、自分自身からさえも、逃れたかった。
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
賢一郎 おたあさん、おたねはどこへ行ったの。
菊池寛父帰る」(1917)
リエージュの町の人で、ゼラール中尉を知らない者はいないだろう。
菊池寛」(1920)
ゼラール中尉には、不思議なことに友人が一人もできなかったのである。
菊池寛」(1920)
自分が主殺しの大罪を犯したことに気がついて、後悔と恐怖とのために、そこにへたばってしまった。
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
あなたが生んだという賢一郎は二十年も前に築港で死んでいる。
菊池寛父帰る」(1917)
俺たちに父親があるものか、あればあんな苦労はしていない。
菊池寛藤十郎の恋」(1919)