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我を救ひ玉へ、君。わが恥なき人とならんを。
森鷗外「舞姫」
背景解説
虐待される恋人エリスが、絶望のどん底で主人公に懇願する言葉。母親に殴られ、父親を失い、葬式の金さえない…そこまで追い詰められた少女が、ただ『普通の人間らしく生きたい』と願う切実さ、その必死さが、わずかな言葉に詰まってるんです。もう逃げ場がない状況で発せられた言葉だからこそ、すごく響く。
では、主人公は彼女のその願いに応えられるのか…?
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『舞姫』の他のひとふみ
きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写して誰にか見せむ。
森鷗外
我母は余を活きたる辞書となさんとし、我官長は余を活きたる法律となさんとやしけん。辞書たらむは猶ほ堪ふべけれど、法律たらんは忍ぶべからず。
森鷗外
学識あり、才能あるものが、いつまでか一少女の情にかゝづらひて、目的なき生活(なりはひ)をなすべき。
森鷗外
嗚呼、余は此書を見て始めて我地位を明視し得たり。恥かしきはわが鈍(にぶ)き心なり。
森鷗外
嗚呼、何等の特操なき心ぞ、「承(うけたま)はり侍(はべ)り」と応(こた)へたるは。
森鷗外
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