西洋料理店というのは、西洋料理を、来た人にたべさせるのではなくて、来た人を西洋料理にして、食べてやる家(うち)とこういうことなんだ。
宮沢賢治山越え
背景解説
ちょっと怖くない?西洋料理店に行ったと思ったら、実は自分たちが料理の材料にされちゃうかもってオチなんです。賢治は日本人が西洋文化に飲み込まれちゃう恐怖を、このシュールで皮肉たっぷりな表現で描いてる。
その後、主人公たちに一体何が起こるのか、そしてこの奇想天外な警告は何を暗示しているのか、物語は思いもよらぬ方向へ進んでいく。
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山越え』の他のひとふみ
鳥も獣も一疋も居やがらん。なんでも構わないから、早くタンタアーンと、やって見たいもんだなあ。
宮沢賢治
くるくるまわって、それからどたっと倒れるだろうねえ。
宮沢賢治
じつにぼくは、二千四百円の損害だ
宮沢賢治
そいじゃ、これで切りあげよう。なあに戻りに、昨日の宿屋で、山鳥を拾円も買って帰ればいい。
宮沢賢治
どっちへ行けば戻れるのか、いっこうに見当がつかなくなっていました。
宮沢賢治
もうあんまりあるきたくないな。
宮沢賢治
ぼくはもう何か喰べたくて倒れそうなんだ。
宮沢賢治
こんなとこにおかしいね。
宮沢賢治
いろいろ注文が多くてうるさかったでしょう。お気の毒でした。 もうこれだけです。どうかからだ中に、壺の中の塩をたくさん よくもみ込んでください。
宮沢賢治
どうも奥には、よほどえらいひとがきている。こんなとこで、案外ぼくらは、貴族とちかづきになるかも知れないよ。
宮沢賢治
さあさあおなかにおはいりください。
宮沢賢治
どうせぼくらには、骨も分けて呉(く)れやしないんだ。
宮沢賢治
二人は泣いて泣いて泣いて泣いて泣きました。
宮沢賢治
鍵穴(かぎあな)の眼玉はたちまちなくなり、犬どもはううとうなってしばらく室の中をくるくる廻(まわ)っていましたが、また一声 「わん。」と高く吠(ほ)えて、いきなり次の扉に飛びつきました。
宮沢賢治
戸はがたりとひらき、犬どもは吸い込まれるように飛んで行きました。
宮沢賢治
しかし、さっき一ぺん紙くずのようになった二人の顔だけは、東京に帰っても、お湯にはいっても、もうもとのとおりになおりませんでした。
宮沢賢治
室はけむりのように消え、二人は寒さにぶるぶるふるえて、草の中に立っていました。
宮沢賢治
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