そうとは言っても露骨に反感を見せたり、軽蔑的な態度をとったりすることのないのを源氏はうれしく思った。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(09 葵)」(1914)
窮屈な境遇の源氏はこうした山歩きの経験がなくて、何もかもみな珍しく面白く思われた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(05 若紫)」(1914)
帝は源氏の大臣にそっくりなお顔であるが、思いなしか一段崇高な御美貌と拝されるのであった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(29 行幸)」(1914)
この上にいっそう苦痛を加えるだけだと思って、御息所はしいて冷ややかになっているのだ。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(10 榊)」(1914)
「なくてぞ人は恋しかりける」とはこうした場合のことだろうと見えた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(01 桐壺)」(1914)
自分は前世にどんな重い罪障があってこの苦しみに堪えなければならないのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(22 玉鬘)」(1914)
ただ漠然と親というものの面影を今日まで心に作って来ているだけだった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(22 玉鬘)」(1914)
露置きてくれなゐいとど深けれどおもひ悩めるなでしこの花   (晶子)炎暑の日に源氏は東の釣殿へ出て涼んでいた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(26 常夏)」(1914)
私はだれよりもあなたが好きなのだから、あなたのことばかりがこんな時にも思われる。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(14 澪標)」(1914)
人よりはすぐれた風采のこの公子も、源氏のそばで見ては桜に隣った深山の木というより言い方がない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(07 紅葉賀)」(1914)