半年以上もすれば梅の花が咲いて来る。果して病人の眼中に梅の花が咲くであろうか。
正岡子規病床六尺」(1902)
もし、僕が、本当に狐になっちゃったらどうする?
新美南吉」(1943)
いったい誰が微生高を正直者などと言い出したのだ。
下村湖人現代訳論語」(1949)
私は実に先生をこの雑沓の間に見つけ出したのである。
夏目漱石こころ」(1914)
清い者は清く、濁れる者は濁ったままで暮して行くより他はない。
太宰治畜犬談」(1939)
明治の木にはとうてい仁王は埋まっていないものだと悟った
夏目漱石夢十夜」(1908)
俺はお前を本当の美しい女にするために、刺青の中へ俺の魂を打ち込んだのだ。
谷崎潤一郎刺青」(1910)