私の頭の中には言いようのない疲労と倦怠が、まるで雪曇りの空のようなどんよりした影を落としていた。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
こんな思いをして生きているくらいなら、いっそ川へでも身を投げて、死んでしまった方がましかも知れない。
芥川龍之介杜子春」(1920)
内供はなまじっか鼻が短くなったのが、かえって恨めしくなった。
芥川龍之介」(1916)
万というからには何事でも、口入れをするのが本当です。
芥川龍之介仙人」(1922)
おかげ様で私も一人前の仙人になれました。
芥川龍之介仙人」(1922)
ある声 お前は俺の思惑とは全然違った人間だった。
芥川龍之介或阿呆の一生」(1927)
誰か僕の眠っているうちにそっと絞め殺してくれるものはないか?
芥川龍之介歯車」(1927)
日本一の桃太郎は犬猿雉の三匹の忠義者を召し抱えた故、鬼が島へ征伐に来たのだ。
芥川龍之介桃太郎」(1924)
どうです? 一つとりませんか? これも職工の肉ですがね。
芥川龍之介河童」(0)
人間というものは角の生えない、青白い顔や手足をした、何ともいえず気味の悪いものだよ。
芥川龍之介桃太郎」(1924)
しかし東京ないし大阪のようになるということは、必ずしもこれらの都市が踏んだと同一な発達の道筋によるということではない。
芥川龍之介魔術」(1920)
言葉を世間の読者に寄せる。君たちもたいてい蟹なんですよ。
芥川龍之介猿蟹合戦」(1923)
河童は我々人間が河童のことを知っているよりも遥かに人間のことを知っています。
芥川龍之介河童」(0)
せねば、餓死をするのじゃて、仕方がなくした事であろ。
芥川龍之介羅生門」(1915)
私はこの時初めて、言いようのない疲労と倦怠とを、そして又不可解な、下等な、退屈な人生を僅かに忘れることができたのである。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
我々は人間よりも不幸である。人間は河童ほど進化していない。
芥川龍之介河童」(0)
優れた者が勝ち劣った者が負ける世の中で、こんな個人的な恨みを漏らすとすれば、愚か者でなければ狂人である。
芥川龍之介猿蟹合戦」(1923)