こうして私が数時間前から座っているのに、どうもまだこの部屋は空虚のようだ。
堀辰雄風立ちぬ」(1938)
しかし、私の心の上には、切ないほどはっきりと、この光景が焼きつけられた。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
私は策略で勝っても人間としては負けたのだ
夏目漱石こころ」(1914)
私は黙って俯向うつむいていた。何を言っても駄目だ。何も言うまいと心で誓った。
室生犀星幼年時代」(1919)
青春を失った者は酔い泣きといっしょに過去の追憶が多くなって取り乱すことになるだろうから
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(27 篝火)」(1914)
本当に必要なものは実はごくわずかなのだ。
ソロー森の生活」(1854)
私は仙人になりたいのだから、そういう所へ住み込ませてください。
芥川龍之介仙人」(1922)
自分の気持ちをほのめかしてだけでも言うことのできる母というものを玉鬘は持っていなかった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(30 藤袴)」(1914)
ただ漠然と親というものの面影を今日まで心に作って来ているだけだった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(22 玉鬘)」(1914)
狐に化かされるという状態は、つまり心理学者のいう三半規管の疾病であるのだろう。
萩原朔太郎猫町」(1935)