小娘はあの霜焼けの手をのばして、 窓から身体をのり出すが早いか、 窓の外の寒さに息をはずませながら、 勢いよく左右に振った。
芥川龍之介蜜柑
背景解説
「霜焼けの手」って細部がすごい。この少女は寒い中、しもやけになった手で必死に蜜柑を投げてる。奉公に出されるのに、弟たちのことを思って蜜柑を持ってきた。その健気さが、「私」のシニカルな世界観を打ち砕く。小さな愛の力強さ。
しもやけの手が投げた蜜柑が、世界を変えた。
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