というのは、彼はいきなりゲラゲラと笑い出したのです。
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
優れた者が勝ち劣った者が負ける世の中で、こんな個人的な恨みを漏らすとすれば、愚か者でなければ狂人である。
芥川龍之介猿蟹合戦」(1923)
時はわたしが釣りに行く小流れにすぎない
ソロー森の生活」(1854)
人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。
坂口安吾堕落論」(1947)
もはや期年のうちに成就すべき大願を見果てずして死ぬことが、やや悲しまれた
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
読者諸君、事件は実に面白くなって来た。
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
一軒の山家の前へ来たのには、さまで難儀は感じなかった。
泉鏡花高野聖」(1900)
我輩は新年来多少有名になったので、猫ながらちょっと鼻が高く感じられる
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
これは経験が私たちを強いて私たちの基礎に置かせた原理の否定し難い一つの帰結なのです。
アインシュタイン相対性理論」(1916)
ただ漠然と親というものの面影を今日まで心に作って来ているだけだった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(22 玉鬘)」(1914)
あちこちから鎖が絡まっていて、少しでも動くと、血が噴き出す。
太宰治魚服記」(1933)
文学を専門的にまでやる人で長寿と幸福を二つとも揃って得ている人は少ない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
老いぼれて飛ばず鳴かない遠い方の森のふくろうが笑うだろうか
柳田国男遠野物語」(1910)
一切の理論は灰色だ、生命の黄金の樹は緑だ。
ゲーテファウスト」(1808)
生きた哲学は現実を理解し得るものでなくてはならぬ。
九鬼周造「いき」の構造」(1930)