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今の己が残りの人間の心を 失えば、恐らく獣としての 己の中に完全に 沈んでしまうであろう。
中島敦「山月記」
背景解説
虎になってからも人間の心は残っていた。でもそれが日に日に薄れていく。いつか完全に獣になる。一番怖いのは、「それを怖いと思えなくなること」だと李徴は言う。これは認知症の恐怖でもあるし、環境に流されて大切なものを忘れていく恐怖でもある。
自分が変わったことに気づけなくなる恐怖。
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臆病な自尊心と、 尊大な羞恥心
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人間は誰でも猛獣使であり、 その猛獣に当るのが、 各人の性情だという。
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