言葉を世間の読者に寄せる。君たちもたいてい蟹なんですよ。
芥川龍之介猿蟹合戦」(1923)
ある日の夕方のことである。
芥川龍之介羅生門」(1915)
僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。妙なものを?――というのは絶えずまはっている半透明の歯車だった。
芥川龍之介歯車」(1927)
ある曇った冬の日暮れである。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
それよりもむしろ、自分で鼻を気にしているということを、人に知られるのが嫌だったからである。
芥川龍之介」(1916)
小田原熱海間に、軽便鉄道敷設の工事が始まったのは、良平の八歳の年だった。
芥川龍之介トロッコ」(1922)
私はこの時初めて、言いようのない疲労と倦怠とを、そして又不可解な、下等な、退屈な人生を僅かに忘れることができたのである。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
これはある精神病院の患者、――第二十三号が誰にでもしゃべる話である。
芥川龍之介河童」(0)
前にはあのようにあからさまには笑わなかった。
芥川龍之介」(1916)
どうも鬼というものの執念の深いのには困ったものだ。
芥川龍之介桃太郎」(1924)
では、俺が引き剥ぎをしようと恨むまいな。俺もそうしなければ、餓死する体なのだ。
芥川龍之介羅生門」(1915)
その家を畑ごとお前にやるから、早速行って住むが良い。今頃は丁度家の周りに、桃の花が一面に咲いているだろう。
芥川龍之介杜子春」(1920)
ある声 お前は俺の思惑とは全然違った人間だった。
芥川龍之介或阿呆の一生」(1927)
僕はある知り人の結婚披露(ひろう)式につらなる為に鞄を一つ下げたまま、……
芥川龍之介歯車」(1927)
私は仙人になりたいのだから、そういう所へ住み込ませてください。
芥川龍之介仙人」(1922)
僕の魂のアフリカはどこまでもぼうぼうと広がっている。
芥川龍之介或阿呆の一生」(1927)
僕は生れたくはありません。第一僕のお父さんの遺伝は精神病だけでも大へんです。
芥川龍之介河童」(0)
上なら、人がいたにしても、どうせ死人ばかりである。
芥川龍之介羅生門」(1915)
蟹の握り飯を奪った猿は、とうとう蟹に仇を取られた。
芥川龍之介猿蟹合戦」(1923)