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堪(た)えがたいほど切ないものを胸に盛(い)れて忍んでいた。
夏目漱石「夢十夜」
背景解説
修行中の人物が、言葉にできないくらい切ない想いを心の中に抱えながら、必死にそれに耐えてる描写なんです。苦しみの中にある、言葉化できない深い感情—それが漱石が描きたかった人間の本当の姿。心身ともに限界まで追い詰められた時、初めて見えてくる本当の気持ちって、超リアルじゃないですか?
その切ない想いの正体は、実は想像もつかないような形で報われるんですが、それが現れるまでの葛藤が半端ない。
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『夢十夜』の他のひとふみ
背中に小さい小僧がくっついていて、その小僧が自分の過去、現在、未来をことごとく照して、寸分の事実も洩(も)らさない鏡のように光っている。
夏目漱石
その頃でも恋はあった。自分は死ぬ前に一目思う女に逢いたいと云った。
夏目漱石
あの通りの眉や鼻が木の中に埋っているのを、鑿と槌の力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すようなものだからけっして間違うはずはない
夏目漱石
こんな船にいるよりいっそ身を投げて死んでしまおうかと思った。
夏目漱石
母の考えでは、夫が侍であるから、弓矢の神の八幡へ、こうやって是非ない願をかけたら、よもや聴かれぬ道理はなかろうと一図に思いつめている。
夏目漱石
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