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檸檬
梶井基次郎(1925年)
約14分
5,500字
あらすじ — レモン一個で、世界を爆破する妄想
得体の知れない不安に押しつぶされそうな「私」。京都の街をさまよい、ふと立ち寄った果物屋でレモンを一つ買う。たったそれだけのことで、世界が変わる。最後に「私」がレモンを置く場所と、そこから広がる妄想がすごい。梶井基次郎が24歳、肺病を抱えながら書いたこの短編は、憂鬱の底から一瞬だけ浮上する「あの感覚」を完璧に捉えている。
この作品のひとふみ
えたいの知れない不吉な塊が 私の心を始終圧えつけていた。
梶井基次郎
あのびいどろの味ほど 幽かな涼しい味があるものか
梶井基次郎
檸檬の冷たさは たとえようもなくよかった。
梶井基次郎
その檸檬の色彩は ガチャガチャした色の階調を ひっそりと紡錘形の中へ 吸収してしまって
梶井基次郎
あの気詰りな丸善も 木っ端微塵だろう
梶井基次郎
私はこの想像を熱心に続けた。
梶井基次郎
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