そして軽く跳び上がる心を制しながら、その城壁の頂きに恐る恐るレモンを据え付けた。
梶井基次郎檸檬」(1925)
人と接触をせずに奥に引き入ってばかりいることも、気高いようであまり感じのいいものではない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(26 常夏)」(1914)
へべれけに酔っ払いたいなあ。そうして何もかも打ち壊して見たいなあ。
葉山嘉樹セメント樽の中の手紙」(1926)
金が足りぬ。良いわ。金をこしらえい
ゲーテファウスト」(1808)
注文はずいぶん多いでしょうがどうか一々耐えて下さい。
宮沢賢治山越え」(1921)
大衆は静かな絶望の生活を送っている
ソロー森の生活」(1854)
彼女は大胆不敵なエキジビショニストであったのだ。
江戸川乱歩黒蜥蜴」(1934)
えらい駆け落ちをしてしまったという悔いが一瞬あった。
織田作之助夫婦善哉」(1940)
天主閣は、明治の新政府に参与した薩長土肥の足軽輩に理解されるべく、あまりに大いなる芸術の作品であるからである。
芥川龍之介魔術」(1920)
わたし雷さまより光るのがいやなの。
永井荷風濹東綺譚」(1937)
私は自分が日記をつけていることを夫に感づかれるようなヘマはやらない。
谷崎潤一郎」(1956)
私は「大きくなったら……」と深い決心をしていた。「もっと大きくなったら……」
室生犀星幼年時代」(1919)
幸福は一生、来ないのだ。それは、わかっている。
太宰治女生徒」(1939)
なぜ女王を宮中へ入れるようなよけいなことを自分は考えついてお心を悩ます結果を作ったのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
俺は総領で家督をしているが、どうかして難しい家の養子になってみたい。
福沢諭吉福翁自伝」(1899)