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名人伝
中島敦(1942年)
小説
約14分
5,708字
哲学
あらすじ — 弓の名人は、最後に弓を忘れた
天下一の弓の名人を目指す紀昌。師匠のもとで想像を絶する修行を重ね、ついに「不射の射」の境地に至る。そして最晩年、弓の名前すら忘れてしまう。中島敦が描いた、究極の「道」の物語。
この作品のひとふみ
名人紀昌は終に弓を手にしなくなった。
中島敦
弓というものがどんな物であったか、それも思い出せぬ。
中島敦
射之射ではなく、不射之射でなければならぬ。
中島敦
紀昌は的を見ることと瞬きをしないこととを学んだ。それだけの修行に三年かかった。
中島敦
弓?と老人は笑う。
中島敦
ああ、夫子が、——古今無双の射の名人たる夫子が、弓を忘れ果てられたとや?
中島敦
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