空っぽの記憶の中に、空っぽの私が生きている。
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)
今夜モ妻ハ中座シテ便所ニ隠レ、ソレカラ風呂場ヘ行ッテ倒レタ。
谷崎潤一郎」(1956)
麻酔薬はうわ言を言うと申すから、それが怖くてなりません。
泉鏡花外科室」(1895)
へべれけに酔っ払いたいなあ。そうして何もかも打ち壊して見たいなあ。
葉山嘉樹セメント樽の中の手紙」(1926)
すべてのことは昔より悪くなっていく末世でも、仮名の字だけは近頃の方がよくなった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(32 梅が枝)」(1914)
私は、今夜、殺される。殺されるために走るのだ。
太宰治走れメロス」(1940)
人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。
太宰治走れメロス」(1940)
ああ、このような経験を、私はこれまで、何百回、何千回、くりかえしたことか。
太宰治」(1947)
なぜこうまで立派なことばかりのできる女だろうと源氏は思った。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(19 薄雲)」(1914)
これならば完全だ、欠点がないという女は少ないものだと私は今やっと気がつきました。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(02 帚木)」(1914)
大衆は静かな絶望の生活を送っている
ソロー森の生活」(1854)
「なくてぞ人は恋しかりける」とはこうした場合のことだろうと見えた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(01 桐壺)」(1914)