この世界に、論理の通らない世界のあること。
中井正一美学入門」(1941)
現実は我々に対してあるというよりも、その中に我々があるのである。
三木清哲学入門」(1940)
あの蠟燭が尽きないうちに私が眠るか、またはコップ一杯の酔いが覚めてしまうか、どちらかでないと、キクちゃんが、あぶない。
太宰治」(1947)
読者諸君、事件は実に面白くなって来た。
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
時代に順応しようとする人ばかりですから、昔のことを言うのに話し相手がだんだん少なくなってまいります。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(11 花散里)」(1914)
真の懐疑家はソフィストではなくてソクラテスであった。
三木清人生論ノート」(1941)
文学を専門的にまでやる人で長寿と幸福を二つとも揃って得ている人は少ない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
何のことだろう、殿様の頭でも踏みはしないだろう。
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
空っぽの記憶の中に、空っぽの私が生きている。
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)
なぜならばそのすべては自明のことのように聞こえるからです。
アインシュタイン相対性理論」(1916)
やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君
与謝野晶子みだれ髪」(1901)
二年の後には、激しく往復する踏み木が睫毛(まつげ)をかすめても、絶えて瞬くことがなくなった。
中島敦名人伝」(1942)
ああ、そのときのお前の顔色の、そしてその唇の色までも、なんと蒼ざめていたことったら!
堀辰雄風立ちぬ」(1938)