借金を返しちまったら。あなた、おかみさんにしてくれない。
永井荷風濹東綺譚」(1937)
僕は甘んじて女王さまの奴隷になります。どんないやしい仕事でもします。
江戸川乱歩黒蜥蜴」(1934)
媚態とは、一元的の自己が自己に対して異性を措定し、自己と異性との間に可能的関係を構成する二元的態度である。
九鬼周造「いき」の構造」(1930)
流転の相はこの通りだ。昼となく夜となく流れてやまない。
下村湖人現代訳論語」(1949)
私は策略で勝っても人間としては負けたのだ
夏目漱石こころ」(1914)
母は私にも別れの言葉もいうひまもなかったのか、それきり私は会えなかった。
室生犀星幼年時代」(1919)
道徳の根本概念は我と物でなく、我と汝である。
三木清哲学入門」(1940)
もし、僕が、本当に狐になっちゃったらどうする?
新美南吉」(1943)
彼女ハコレマデ決シテ必要以外ノ部分ヲ見タリ触レタリシタコトガナカッタノダ。
谷崎潤一郎」(1956)
私は実に先生をこの雑沓の間に見つけ出したのである。
夏目漱石こころ」(1914)
そんなことをしてはたいへんよ。世間体もあります。私が生きている間は邸を人手に渡すなどということはできるものではない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(15 蓬生)」(1914)
我々は人間よりも不幸である。人間は河童ほど進化していない。
芥川龍之介河童」(0)
狐に化かされるという状態は、つまり心理学者のいう三半規管の疾病であるのだろう。
萩原朔太郎猫町」(1935)
暗闇の世界の恋でございます。決してこの世のものではありません。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)