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えたいの知れない不吉な塊が 私の心を始終圧えつけていた。
梶井基次郎「檸檬」
背景解説
冒頭のこの一文で、読者は一気に引き込まれる。「えたいの知れない」がポイント。原因が分からないのに苦しい。これって現代のメンタルヘルスの問題そのもの。梶井は1925年にこの感覚を完璧に言語化してた。名前のつけられない苦しみが一番つらい、ということを知っていた作家。
名前のない苦しみが、一番重い。
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『檸檬』の他のひとふみ
あのびいどろの味ほど 幽かな涼しい味があるものか
梶井基次郎
檸檬の冷たさは たとえようもなくよかった。
梶井基次郎
その檸檬の色彩は ガチャガチャした色の階調を ひっそりと紡錘形の中へ 吸収してしまって
梶井基次郎
あの気詰りな丸善も 木っ端微塵だろう
梶井基次郎
私はこの想像を熱心に続けた。
梶井基次郎
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