些細なことが私たちを慰めてくれる。なぜなら些細なことが私たちを悲しませるから。
パスカルパスカルの言葉」(1943)
あいがたきいつきのみことおもいてきさらにはるかになりゆくものを(晶子)前斎宮の入内を女院(にょいん=太上天皇の后)……
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
「武蔵野の面影は今わずかに入間郡に残れり」と自分は文政年間にできた地図で見たことがある。
国木田独歩武蔵野」(1898)
ある曇った冬の日暮れである。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
私はその人を常に先生と呼んでいた。
夏目漱石こころ」(1914)
これはある精神病院の患者、――第二十三号が誰にでもしゃべる話である。
芥川龍之介河童」(0)
芭蕉は目なくして雷の音を聞き葵花は眼なくして日に随って転ず染め色の山もなき世におのずから     柳は緑花は紅序 ……
新渡戸稲造自警録」(1916)
まだ雨風は止まないし、雷鳴が始終することも同じで幾日か経った。今は極度に侘しい須磨の人たちだった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(13 明石)」(1914)
小石川の切支丹坂(きりしたんざか)から極楽水(ごくらくすい)に出る道のだらだら坂を下りようとして彼は考えた。
田山花袋蒲団」(1907)
盛りなる御代の后に金の蝶しろがねの鳥花たてまつる      (晶子)三月の二十日過ぎ、……
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(24 胡蝶)」(1914)
その子二十(はたち)櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな
与謝野晶子みだれ髪」(1901)
眼閉づれど、心にうかぶ何もなし。さびしくも、また、眼をあけるかな。
石川啄木悲しき玩具」(0)
出て行け! この悪党めが! 貴様も馬鹿な、嫉妬深い、猥褻な、図々しい、うぬ惚れきった、残酷な、虫のよい動物なんだろう。
芥川龍之介河童」(0)
地面の底の病気の顔地面の底に顔があらわれ、さみしい病人の顔があらわれ。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
趙の邯鄲(かんたん)の都に住む紀昌(きしょう)という男が、天下第一の弓の名人になろうと志を立てた。
中島敦名人伝」(1942)
時代は全然変わらないと思う。
太宰治黄金風景」(1939)
よだかは、本当にみにくい鳥です。
宮沢賢治よだかの星」(1934)
ヘルンが日本に来たのは、明治二十三年の春でした。
小泉節子思い出の記」(1908)
あるところに、人のよいおばあさんが住んでいました。
小川未明赤い船」(1922)