噫、生きてゐた、私は生きてゐた!
中原中也山羊の歌」(1934)
生命力,歓喜どん底にいたのに、突然自分の生命力を実感したとき
もう隠すまい。 隠すことに疲れた。 自分は自分であるより 他にないのだ。
島崎藤村破戒」(1906)
覚悟もう嘘をつけないと決めたとき
もうとても黙って家の中におられない気持でした。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
焦燥, 追い詰められた感覚現状から逃げ出したいとき
金魚のふんみたいに ついて歩くなんて
太宰治斜陽」(1947)
切なさ自分の弱さに気づいたとき
……鳴呼。私が浅ましい狂人(きちがい)……。
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)
絶望, 自己否定, 恥辱自分が精神病患者であることを認識させられたとき
私は多年の間懊悩した結果ようやく自分の鶴嘴をがちりと鉱脈に掘り当てたような気がしたのです。
夏目漱石私の個人主義」(1914)
歓喜,達成感長い迷いの末に自分の道を見つけたとき
自分は風景の中に生きているのである。 自分は風景の一部分であるのだ。
国木田独歩武蔵野」(1898)
一体感自然の中で自分が溶け込んでいく感覚
如何に英仏その他の国々に金満家が多いとて、他国の地面を買て城を築くような馬鹿気た商人はありますまい
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
困惑,文化衝突西欧人の領土意識の違いに触れたとき
堪(た)えがたいほど切ないものを胸に盛(い)れて忍んでいた。
夏目漱石夢十夜」(1908)
切なさどうしようもない苦しみに耐えている状況で、その感情の正体を知りたいとき
大部分の贅沢は、そして多くのいわゆる人生の慰安物は、人類の向上にとって不可欠でないばかりでなく、積極的な妨害物である。
ソロー森の生活」(1854)
反省モノを買っても満たされないとき
美しい閨秀作家としての彼女は、此の頃では、外務省書記官である夫君の影を薄く思わせる程も、有名になっていた。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)
誇り、逆転、力強さ自分の力を信じたいとき、夫の陰に隠れたくないとき
里見さんを描いちゃ、だれが描いたって、間が抜けてるようには描けませんよ
夏目漱石三四郎」(1908)
切なさ, 悔恨失ってしまった大切な人への想いが消えないとき
己も若くて生きていて、色もした。
ゲーテファウスト」(1808)
懐古,哀愁死霊が過去の生を振り返るとき
伯牛、わしは強いてお前の顔を見ようとはいわぬ。せめて声だけでも聞きたいと思って、久々でやって来たのじゃ。
下村湖人論語物語」(1938)
温かさ辛いとき、誰かにそっと寄り添ってほしいとき
私は生きている。私はこれほど確かな事実はないと思った。自己の存在はただちに内より直観できる。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
実存的覚醒自分の存在意義に悩んでいるとき
ここに人生がある——それは大部分わたしにとってこころみられたことのない実験である。
ソロー森の生活」(1854)
好奇心新しいことを始めるのをためらっているとき
私はこの生命と生命との交渉、魂と魂との接触は宇宙における厳粛なる偉大なる事実に相違ないと思った。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
他者との出会い人間関係の意味を考えたいとき
喜怨色に顕さず
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
決意,冷静感情に振り回されず冷静さを保つことを決めたとき
頭の悪い人足ののろい人がずっとあとからおくれて来てわけもなくそのだいじな宝物を拾って行く場合がある
寺田寅彦科学者とあたま」(1933)
希望自分は要領が悪いと落ち込んだとき
小供に学問をさせるのも、好し悪しだね。せっかく修業をさせると、その小供は決して宅へ帰って来ない。これじゃ手もなく親子を隔離するために学問させるようなものだ
夏目漱石こころ」(1914)
切なさ, 後悔, 孤独親の愛情と子どもの将来についての葛藤を感じたとき