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霧の深いのを、 残念にも思はなかつた。
太宰治「富嶽百景」
背景解説
三ツ峠に登ったら霧で何も見えない。茶店の老婆が富士の写真を掲げて「ここにこう見えます」と説明する。太宰と井伏鱒二はその写真の富士を眺めて笑い、「いい富士を見た」と満足する。本物が見えなくても、その状況ごと楽しめる二人の粋。
本物より、写真のほうがよかった話。
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『富嶽百景』の他のひとふみ
富士には、月見草がよく似合ふ。
太宰治
富士が、よかつた。
太宰治
いいねえ。富士は、やつぱり、 いいとこあるねえ。 よくやつてるなあ。
太宰治
けれども、苦悩だけは、 その青年たちに、先生、と 言はれて、だまつてそれを 受けていいくらゐの、 苦悩は、経て来た。
太宰治
富士山、さやうなら、 お世話になりました。パチリ。
太宰治
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