小石川の切支丹坂(きりしたんざか)から極楽水(ごくらくすい)に出る道のだらだら坂を下りようとして彼は考えた。
田山花袋蒲団」(1907)
---美濃部民子夫人に献ず---自序 美濃部民子様 わたくしは今年の秋の初に、……
与謝野晶子晶子詩篇全集」(1929)
近頃私は死というものをそんなに恐ろしく思わなくなった。
三木清人生論ノート」(1941)
廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お歯ぐろ溝に燈火(ともしび)うつる三階の騒ぎも手に取る如く、……
樋口一葉たけくらべ」(1895)
La pense doit remplir toute l'existence.MAINE DE BIRAN, J……
九鬼周造「いき」の構造」(1930)
夢中になってながめる者の顔にまで愛嬌が反映するほどである。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(28 野分)」(1914)
むらさきのふぢばかまをば見よといふ二人泣きたきここち覚えて (晶子)尚侍(なないし=宮中に仕える高位の女官)になっ……
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(30 藤袴)」(1914)
親の家ではあっても、良人の愛を失った女になって帰って行くことは、夫人の決心のできかねることであった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(31 真木柱)」(1914)
私はよく実家へ遊びに行った。
室生犀星幼年時代」(1919)
「おい地獄(じごく)さ行くんだで!」二人はデッキの手すりに寄りかかって、……
小林多喜二蟹工船」(1929)
これはある精神病院の患者、――第二十三号が誰にでもしゃべる話である。
芥川龍之介河童」(0)
賢一郎 おたあさん、おたねはどこへ行ったの。
菊池寛父帰る」(1917)
髪五尺ときなば水にやはらかき少女(おとめ)ごころは秘めて放たじ
与謝野晶子みだれ髪」(1901)
人魚は、南の方の海にばかり住んでいるのではありません。
小川未明赤い蝋燭と人魚」(1921)
地の声をもって天の言葉を語った人なのである。
下村湖人論語物語」(1938)