この上にいっそう苦痛を加えるだけだと思って、御息所はしいて冷ややかになっているのだ。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(10 榊)」(1914)
なぜ女王を宮中へ入れるようなよけいなことを自分は考えついてお心を悩ます結果を作ったのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
私は恋というものを(たびたび申し上げたように)あまり好ましく思わないようになっているのです。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
真白い手のひらに紫色の葡萄の粒が重なってのっていたその美しさを僕は今でもはっきりと思い出すことができます。
有島武郎一房の葡萄」(1920)
人は一つの葦に過ぎない。その性質において最も弱い葦だ。しかし彼は考える葦だ。
パスカルパスカルの言葉」(1943)
京は広い所ですから、よいこともきっとあって、安心がさせていただけると思います。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(22 玉鬘)」(1914)
恋しい藤壺の宮によく似ているからだと気がついた瞬間にも、思慕の涙が熱く頬を伝わった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(05 若紫)」(1914)
ザネリはもう帰ったよ。お父さんが迎えに来たんだ
宮沢賢治銀河鉄道の夜」(1934)
虫が知らすとでも言うのか、何だかこう、傍見をしているすきに何か起きそうで、どうも外へ目を向けられなかった
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
昨日の正しさが今日の誤りになる、そういう瞬間瞬間の感覚を、ペンで写して誰に見せるのか。
森鷗外舞姫」(1890)
人間の多くは金銭においてではないが、うららかな時間と夏の日において富んでいる。
ソロー森の生活」(1854)
こうして変わらない愛をかける源氏に真心から信頼している様子に同情がされた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(23 初音)」(1914)
道を歩いて常に見る若い美しい女、出来るならば新しい恋を為たいと痛切に思った。
田山花袋蒲団」(1907)