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舟に残れるは余一人のみなれば。
森鷗外「舞姫」
背景解説
主人公が船に一人取り残されるこの瞬間、まるで自分だけが世界から切り離されたような絶望感が襲ってくるんです。電気の灯りも虚しく、同僚たちは楽しくホテルで過ごしているのに、自分だけが暗い船室に…これってめっちゃ切ない。
この孤独から逃げ出すために、彼は後にどんな選択をしてしまうのか——それが物語全体を揺るがす悲劇へと繋がっていく。
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『舞姫』の他のひとふみ
きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写して誰にか見せむ。
森鷗外
嗚呼、いかにしてか此恨を銷せむ。
森鷗外
我母は余を活きたる辞書となさんとし、我官長は余を活きたる法律となさんとやしけん。辞書たらむは猶ほ堪ふべけれど、法律たらんは忍ぶべからず。
森鷗外
嗚呼、彼も一時。舟の横浜を離るるまでは、天晴豪傑と思ひし身も、せきあへぬ涙に手巾を濡らしつるを我れ乍ら怪しと思ひしが、これぞなか/\に我本性なりける。
森鷗外
我を救ひ玉へ、君。わが恥なき人とならんを。
森鷗外
君は善き人なりと見ゆ。彼の如く酷くはあらじ。又我母の如く。
森鷗外
学識あり、才能あるものが、いつまでか一少女の情にかゝづらひて、目的なき生活(なりはひ)をなすべき。
森鷗外
縦令(よしや)富貴になり玉ふ日はありとも、われをば見棄て玉はじ。
森鷗外
嗚呼、余は此書を見て始めて我地位を明視し得たり。恥かしきはわが鈍(にぶ)き心なり。
森鷗外
足の糸は解くに由なし。曩(さき)にこれを繰(あや)つりしは、我(わが)某(なにがし)省の官長にて、今はこの糸、あなあはれ、天方伯の手中に在り。
森鷗外
嗚呼、何等の特操なき心ぞ、「承(うけたま)はり侍(はべ)り」と応(こた)へたるは。
森鷗外
我脳中には唯我は免(ゆる)すべからぬ罪人なりと思ふ心のみ満ち/\たりき。
森鷗外
我豊太郎ぬし、かくまでに我をば欺き玉ひしか
森鷗外
我脳裡に一点の彼を憎むこゝろ今日までも残れりけり
森鷗外
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