私はどんな罪を前生で犯してこうした悲しい目に遭うのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(13 明石)」(1914)
希望はあらず、さてはまた、懺悔もあらず。
中原中也山羊の歌」(1934)
逆上は普通の人間を、普通の人間の程度以上につり上げて、常識のある者に、非常識を与える者である。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
私は母の手紙の言葉をここで繰り返すことに耐えられない。涙が流れ込んできて、筆を持つ手の動きが止まるからだ。
森鷗外舞姫」(1890)
私の出費は一年間でたった二十七ドル、四分の一セントだった。
ソロー森の生活」(1854)
生きた哲学は現実を理解し得るものでなくてはならぬ。
九鬼周造「いき」の構造」(1930)
真の懐疑家はソフィストではなくてソクラテスであった。
三木清人生論ノート」(1941)
俺たちには、俺たちしか味方がねえんだな。初めて分かった
小林多喜二蟹工船」(1929)
阿呆はいつも彼以外のものを阿呆であると信じている。
芥川龍之介河童」(0)
あの人は棺に入らないで回転窯の中へ入ってしまいましたわ。
葉山嘉樹セメント樽の中の手紙」(1926)
よごれたる手をみる――ちゃうどこの頃の自分の心に対うがごとし。
石川啄木悲しき玩具」(0)
いったい誰が微生高を正直者などと言い出したのだ。
下村湖人現代訳論語」(1949)
義援金を出してから、会う人ごとに義援金を取られた、取られたと言いふらしている
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)