何のことはない、四畳半の座敷が書物で埋まっているのだ。
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
鏡は自惚れの醸造器であるごとく、同時に自慢の消毒器である
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
学問とは、ただ難しい字を知り、理解しにくい古い文献を読むことではありません
福沢諭吉学問のすすめ」(1872)
生きていればいいたい事はいいたいもので、毎日見るものは新聞雑誌に限っていれど、それさえ読めないで苦しんでいる時も多い。
正岡子規病床六尺」(1902)
私は「大きくなったら……」と深い決心をしていた。「もっと大きくなったら……」
室生犀星幼年時代」(1919)
ああ、このような経験を、私はこれまで、何百回、何千回、くりかえしたことか。
太宰治」(1947)
今夜モ妻ハ中座シテ便所ニ隠レ、ソレカラ風呂場ヘ行ッテ倒レタ。
谷崎潤一郎」(1956)
不可解な、下等な、退屈な人生の象徴でなくて何であろう。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
親から子と次第に人間の価値は落ちていきまして、子は親ほどだれからも尊敬されず、愛されもしないのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(29 行幸)」(1914)
あまりまじめ一方で、最後まで女らしく書かれていないのが悪いと思うのですよ。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(25 蛍)」(1914)
こうして私が数時間前から座っているのに、どうもまだこの部屋は空虚のようだ。
堀辰雄風立ちぬ」(1938)
こうした不用心な時に男も女も間違った運命へ踏み込むものだと源氏は思った。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(08 花宴)」(1914)
流転の相はこの通りだ。昼となく夜となく流れてやまない。
下村湖人現代訳論語」(1949)