この足を持つ女こそは、彼が永年探しあぐねた、女の中の女であろうと思われた。
谷崎潤一郎刺青」(1910)
生きた哲学は現実を理解し得るものでなくてはならぬ。
九鬼周造「いき」の構造」(1930)
僕たちに父親てておやがあるわけはない。そんなものがあるもんか。
菊池寛父帰る」(1917)
はっきり言おう。くどくどと、あちこち持って回った書き方をしたが、実はこの小説、夫婦喧嘩の小説なのである。
太宰治魚服記」(1933)
そうとは言っても露骨に反感を見せたり、軽蔑的な態度をとったりすることのないのを源氏はうれしく思った。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(09 葵)」(1914)
そしたら、母ちゃんは、びっこを引いてゆっくり行きましょう
新美南吉」(1943)
昔が思い出されて、恋しいことが胸をいっぱいにして、帰って行く気になれない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(29 行幸)」(1914)
失敗をこわがる人は科学者にはなれない。
寺田寅彦科学者とあたま」(1933)
人は必要以上の仕事をして生活を複雑にしすぎている。
ソロー森の生活」(1854)
自分が主殺しの大罪を犯したことに気がついて、後悔と恐怖とのために、そこにへたばってしまった。
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)