椅子の中の恋(!)それがまあ、どんなに不可思議な、陶酔的な魅力を持つか。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)
いやだったら、いやだったら、いやだったら!
新美南吉」(1943)
あなたが産んだという賢一郎は二十年も前に築港で死んでいる。
菊池寛藤十郎の恋」(1919)
しかしそう考えた私はついに一種の淋しさを脱却する訳に行かなかったのです。
夏目漱石私の個人主義」(1914)
多くの人々は一度も本当の自分に巡り合わずに死んでいっているのである。
中井正一美学入門」(1941)
生きていればいいたい事はいいたいもので、毎日見るものは新聞雑誌に限っていれど、それさえ読めないで苦しんでいる時も多い。
正岡子規病床六尺」(1902)
神様があの美貌に見入ってどうかなさらないかと思われるね、気味の悪い。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(07 紅葉賀)」(1914)
えらい駆け落ちをしてしまったという悔いが一瞬あった。
織田作之助夫婦善哉」(1940)
誰でも絶えず努力しているものは、われ等が救うことが出来る。
ゲーテファウスト」(1808)
私の出費は一年間でたった二十七ドル、四分の一セントだった。
ソロー森の生活」(1854)
私は「大きくなったら……」と深い決心をしていた。「もっと大きくなったら……」
室生犀星幼年時代」(1919)