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帽子屋さんはなるほどと思いました。狐の手に合う手袋を出してやりました。
新美南吉「手袋を買いに」
背景解説
帽子屋さん、きつねだって気づいてるのに、何も言わずに手袋を売ってくれた。これってすごいことだよね。偏見や恐怖よりも、商売人としての誠実さ、あるいは小さな子供への優しさが勝った瞬間。人間の善良さを信じたくなる場面。
この帽子屋さんの行動が、物語のテーマを決定づける。
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『手袋を買いに』の他のひとふみ
子狐の手は、牡丹(ぼたん)の花のようにまっかでした。雪をすくったので、ぼたんの花のようにまっかになったのです。
新美南吉
母さん狐はため息をつきました。「ほんとうに人間はいいものかしら。ほんとうに人間はいいものかしら。」
新美南吉
お母さん、お手々がちんちんする。お手々がちんちんする。
新美南吉
お母さんは、坊やの片方の手をとって、それを人間の子どもの手にかえました。
新美南吉
「このお手々にちょうどいい手袋下さい。」と云いました。帽子屋さんはおやと思いました。だってそれは人間の手でなくて狐の手だったからです。
新美南吉
母さんの言ったことは嘘だな。人間はちっとも恐かないや。
新美南吉
人間の窓の中では人間の子供が、お母さんに歌ってもらいながら、ねんねしようとしているのでした。
新美南吉
「坊や、お手々がつめたかろう。おっかさんおててをつつんであげましょうね。」
新美南吉
「ほんとうに人間はいいものかしら。ほんとうに人間はいいものかしら。」
新美南吉
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