母ちゃん、お星さまは、あんな低いところにも落ちてるのねえ
新美南吉手袋を買いに」(1943)
富を得ていながら、欠けた事を思うほど、苦しい事は世間にない。
ゲーテファウスト」(1808)
どうせ死ぬのだと思うと、そこに世間もなければ主従もなかった。
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
私はどんな罪を前生で犯してこうした悲しい目に遭うのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(13 明石)」(1914)
一円九十銭の日当の中から、日に、五十銭の米を二升食われて、九十銭で着たり、住んだり、べらぼうめ!
葉山嘉樹セメント樽の中の手紙」(1926)
青春を失った者は酔い泣きといっしょに過去の追憶が多くなって取り乱すことになるだろうから
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(27 篝火)」(1914)
私は生涯にまたとあるまじき重要な地位に立っているのだから。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
多くの人々は一度も本当の自分に巡り合わずに死んでいっているのである。
中井正一美学入門」(1941)
人生は何事もしないには余りに長いが、何事かをするには余りに短い。
中島敦山月記」(1942)
美しい人が、美しい眠りについて、その眠りから、覚める暇もなく、この世の息を引き取るとき
夏目漱石草枕」(1906)
雲雀はきっと雲の中で死ぬに違いない。
夏目漱石草枕」(1906)
俺は世の中を駆けて通った。そしてあらゆる歓楽を、髪を掴んで引き寄せるようにした。
ゲーテファウスト」(1808)
現実は我々に対してあるというよりも、その中に我々があるのである。
三木清哲学入門」(1940)
みだれ髪を京の島田にかへし朝ふしていませの君ゆりおこす
与謝野晶子みだれ髪」(1901)