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杜子春は寒さと恐しさとに、殆(ほとんど)気を失いそうになりましたが、しかし鉄冠子の言葉を覚えていましたから、唇を噛みしめたまま、じっと我慢をしていました。
芥川龍之介「杜子春」
背景解説
虎が襲ってきても、嵐が吹き荒れても、杜子春はひたすら黙って耐え続ける。この忍耐力、すごくない?でも実はこれ、本当の試練はまだ始まってすらいなかったんだよ。
杜子春の沈黙を打ち破るのは、恐怖ではなく、あるものだった。
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『杜子春』の他のひとふみ
或春の日暮です。唐の都洛陽(らくよう)の西の門の下に、ぼんやり空を仰いでいる、一人の若者がありました。
芥川龍之介
この夕日の中に佇んでいる、お前の姿が眼に止ったから、何か力になってやりたいと思ったのだ。
芥川龍之介
杜子春は又元の大金持になりました。するとどうでしょう。今まで眉をひそめていた、洛陽の都の人達は、急にいそいそと御世辞を云い始めました。
芥川龍之介
もう人間は愛想がつきました。どうか私を弟子にして下さい。
芥川龍之介
たとい何を見ても、何を聞いても、決して声を出してはならないぞ。もし一言でも口を利いたら、お前は到底仙人にはなれないものだと覚悟をしろ。
芥川龍之介
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