機械は人間から霊魂を奪ってしまった。
中井正一美学入門」(1941)
危機感,喪失感現代社会の問題を感じるとき
嗚呼、余は此書を見て始めて我地位を明視し得たり。恥かしきはわが鈍(にぶ)き心なり。
森鷗外舞姫」(1890)
悔悟,自覚,切なさ恋人の手紙を読んで、自分の無神経さに気づいたとき
基底の危機というものから哲学は生れてくる。
三木清哲学入門」(1940)
不安,危機感これまで当然だと思っていたことが揺らぐとき
私は妻には何にも知らせたくないのです。妻が己れの過去に対してもつ記憶を、なるべく純白に保存しておいてやりたいのが私の唯一の希望なのですから
夏目漱石こころ」(1914)
切なさ愛する者を傷つけたくないと思ったとき、また自分の秘密を抱えて孤独を感じるとき
愛よりも、金銭よりも、名誉よりも、むしろわたしに真実をあたえてもらいたい。
ソロー森の生活」(1854)
渇望,決意何が本当に大切かを見失いそうになったとき
うわべは極めて何気なさ相な、この人世の裏面に、どんなに意外な、陰惨な秘密が隠されているかということを、まざまざと見せつけられた様な気がします。
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
恐怖世界の本質を疑うとき、人間関係の奥底に何があるかを考えるとき
ぼくは損害を賠償してもらう権利があります。そのためにご子息壮二君を人質としてつれてかえりました。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)
怒り, 恐怖悪意ある報復に直面したとき
心胸には道理に知れない道理がある。わたしたちは千百の事物に於いてその道理以外の道理を知る。
パスカルパスカルの言葉」(1943)
神秘理屈じゃ説明できない感覚を大事にしたいとき
多くの人々は一度もほんとうの自分にめぐりあわずに死んでいっているともいえるのである。
中井正一美学入門」(1941)
悲しみ,寂しさ自分の人生を振り返るとき
タッタ一言……タッタ一言……御返事をして下されば……いいのです。
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)
切なさ、絶望自分の存在を確認してもらいたいのに、相手が返事をくれないとき
ここらが非人情で面白い。
夏目漱石草枕」(1906)
驚き、発見都会の常識が通じない地方の人情に気づいたとき
林を出て広い畑に出ると、 からりと晴れた空が頭の上に展開し、 秋の日が一面にきらめいていた。
国木田独歩武蔵野」(1898)
開放感閉塞感から抜け出したとき
ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ
宮沢賢治雨ニモマケズ」(0)
孤独, 悲しみ, 自己否定自分の存在を誰からも認められていないと感じるとき
己も若くて生きていて、色もした。
ゲーテファウスト」(1808)
懐古,哀愁死霊が過去の生を振り返るとき
有体(ありてい)なる己(おの)れを忘れ尽(つく)して純客観に眼をつくる時、始めてわれは画中の人物として、自然の景物と美しき調和を保(たも)つ。
夏目漱石草枕」(1906)
悟り、切なさ理想と現実のギャップに直面したとき
『あなたどう思いますか』などと申しました。
小泉節子思い出の記」(1908)
切なさ、不安、喜びと心配の相反心から望んだものを手に入れたのに、それが永遠に続かないことへの恐れを感じるとき
我々の本性の弱さを承認しなければならないのである。
デカルト省察」(1641)
謙遜,受容人間の限界を認めるとき
形体以外の活動を見る能(あた)わざる者に向って己霊(これい)の光輝を見よと強(し)ゆるは、坊主に髪を結(い)えと逼(せま)るがごとく、鮪(まぐろ)に演説をして見ろと云うがごとく、電鉄に脱線を要求するがごときものである。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
怒り, 諦観, ユーモア自分の努力が報われず、他者に理解されないと感じたとき
吾輩は猫である。名前はまだない
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
潔白, 静寂, 孤独恐怖と緊張の中で、自分の存在を簡潔に述べたいとき
こんな立派な奥さんがあるのに、どうして大谷さんは、あんなに、ねえ
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
切なさ、悲しみ自分の人生の失敗や堕落を突きつけられたとき