こんやの演奏についてはわたくしじつはあのセロには まったく感心しました。
宮沢賢治セロ弾きのゴーシュ」(1934)
希望努力が報われた瞬間
それでは」と、グレゴールはいったが、自分が冷静さを保っているただ一人の人間なのだということをはっきりと意識していた。
フランツ・カフカ変身」(0)
決意, 孤独周囲が混乱する中で、自分だけが状況を理解しているとき
革命は、 まだ終っていないのだ。
太宰治斜陽」(1947)
決意まだ諦めたくないとき
庄太郎は必死の勇をふるって、豚の鼻頭を七日(なのか)六晩(むばん)叩(たた)いた。けれども、とうとう精根が尽きて、手が蒟蒻(こんにゃく)のように弱って、しまいに豚に舐(な)められてしまった。
夏目漱石夢十夜」(1908)
絶望, 無力感必死に戦い続けても報われないことに気づいたとき
御者は赤い西日の中に手綱を引き緊めると、鞭の先で遙か眼の下の町を指した。
横光利一」(1923)
緊張、美しさ美しい風景の中に潜む危険を感じ取りたいとき
やっとの事でそこまで来ると、 もう遠い薄暗がりの中にも、 見覚えのある家が何軒かあった。
芥川龍之介トロッコ」(1922)
希望やっと安全な場所にたどり着いたとき
『ああ、実に! なんという汚らわしい事だろう! いったい、いったいおれが……いや、これは無意味(ノンセンス)だ、これは愚にもつかぬことだ!』
ドストエフスキー罪と罰」(0)
自己嫌悪と葛藤老婆の家から出た直後、自分の犯行計画に気づいて苦しむとき
そのまた向うには夕焼けの空の下に、 ぼんやり薄紫に横たわっている海さえ見えた。
芥川龍之介トロッコ」(1922)
切なさ美しい景色が逆に寂しく感じるとき
私はこの時始めて、 云いようのない疲労と倦怠とを そうして又不可解な、下等な、 退屈な人生を僅かに忘れる事が出来たのである。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
希望小さなことで救われたとき
この胸を灼く悲しみを、 誰かに訴えたいのだ。
中島敦山月記」(1942)
孤独誰にも分かってもらえないとき
ここにのみは軽く塵たち紅き物いささかひらめきて一村の緑に映じたり。
柳田国男遠野物語」(1910)
驚き, 美しさへの感動日常から非日常へ足を踏み入れたとき
妙な偶然ですね
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
寂寥感, 運命への問い人生の偶然性や必然性について考え込みたいとき
たとい如何なる目を見ようとも、 如何なる人に邂逅おうとも、 決してそれは打ち明けるな。 一旦の憤怒悲哀から、 若しそれを白状するような事があったら、 その時こそお前の一生の 不幸だと思え。
島崎藤村破戒」(1906)
緊張自分のことを隠さなければならないとき
生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道が有りうるだろうか。
坂口安吾堕落論」(1947)
決意人生に迷い、理想と現実のギャップに苦しんでいるとき
けれども、苦悩だけは、 その青年たちに、先生、と 言はれて、だまつてそれを 受けていいくらゐの、 苦悩は、経て来た。
太宰治富嶽百景」(1939)
孤独自分に自信が持てないとき
なぜグレゴールだけが、ほんのちょっと遅刻しただけですぐ最大の疑いをかけるような商会に勤めるように運命づけられたのだろうか。
フランツ・カフカ変身」(0)
怒り, 悲しみ朝寝坊で支配人が訪ねてきたとき
鳥も獣も一疋も居やがらん。なんでも構わないから、早くタンタアーンと、やって見たいもんだなあ。
宮沢賢治山越え」(1921)
焦燥感、暴力衝動獲物がいない山で、何でもいいから撃ちたい欲望に駆られたとき
心胸には道理に知れない道理がある。わたしたちは千百の事物に於いてその道理以外の道理を知る。
パスカルパスカルの言葉」(1943)
神秘理屈じゃ説明できない感覚を大事にしたいとき
ただ口の中で迷羊(ストレイ・シープ)、迷羊(ストレイ・シープ)と繰り返した。
夏目漱石三四郎」(1908)
孤独, 迷走, 虚無感人生の方向性を見失ったとき、自分の気持ちを言葉にできないとき
蝶子は柳吉に惚れていた。 惚れた相手なら仕方がないと 思うのが女の悲しさであった。
織田作之助夫婦善哉」(1940)
切なさ好きな人にどうしても甘くなってしまうとき