泡と見る淡路の島のあはれさへ残るくまなく澄める夜の月
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(13 明石)」(1914)
哀愁美しい景色を見ても心が満たされないとき
見よ、鳶は羽ばたきもせず中空から石のように落ちて来るではないか。
中島敦名人伝」(1942)
畏怖不可能を目の当たりにしたとき
ああああ、もう少しの間だ
夏目漱石三四郎」(1908)
絶望夜の孟宗竹藪で
年が行ってしまうと恥ずかしい目にあうものです。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(20 朝顔)」(1914)
羞恥年齢にそぐわない行動をして後悔するとき
竜華寺の藤本は生煮えの餅のように真があつて気に成る奴
樋口一葉たけくらべ」(1895)
複雑理解しにくい人に対して
入り日さす峯にたなびく薄雲は物思ふ袖に色やまがへる
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(19 薄雲)」(1914)
哀愁大切な人を失った深い悲しみに包まれるとき
私を取り巻く人の運命が、大きな輪廻のうちに、そろそろ動いているように思われた。
夏目漱石こころ」(1914)
予感運命の変化を感じるとき
ぬすつと犬めが、くさった波止場の月に吠えている。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
絶望人生に裏切られたような気持ちになったとき
お母さまは、九十歳までは大丈夫ね
太宰治斜陽」(1947)
慈愛大切な人の健康を願うとき
日がたてばたつほど悲しみの深くなるのは困ったことだ。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(01 桐壺)」(1914)
孤独大きな喪失を経験して、時間が解決してくれると期待したのに、むしろ辛さが増したとき
信用しないって、特にあなたを信用しないんじゃない。人間全体を信用しないんです。
夏目漱石こころ」(1914)
絶望人間不信の深淵を覗くとき
何事も空想したようにはいかないものであると源氏は思った。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(06 末摘花)」(1914)
無常現実を受け入れなければならないとき
生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道があり得るだろうか。
坂口安吾堕落論」(1947)
決意人生の正解を探し続けて迷子になったとき
男つていうものは、家にいることを、どうしてさう恩に着せるんでしょう。
岸田国士紙風船」(1925)
皮肉パートナーの行動パターンに疑問を感じたとき
悪魔のささやきというのは、たぶんああしたことを指すのではありますまいか。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)
恐怖禁断の誘惑に負けそうになるとき
そりゃもう、僕にくらべたら、どんな男でも、あほらしく見えるんだからね。
太宰治」(1947)
ユーモア自分の価値を客観視したいとき
なかなか運搬はひどいやな。
宮沢賢治セロ弾きのゴーシュ」(1934)
ユーモア日常の些細な苦労を感じたとき
自分の気持ちをほのめかしてだけでも言うことのできる母というものを玉鬘は持っていなかった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(30 藤袴)」(1914)
切なさ本音を打ち明ける人がいないとき
年寄の女に向って年齢のことを気遣うのなども、もう皮肉に気持ちがこずんで来た証拠だね
岡本かの子老妓抄」(1938)
皮肉年上の人との関係に悩むとき
これは経験が私たちを強いて私たちの基礎に置かせた原理の否定し難い一つの帰結なのです。
アインシュタイン相対性理論」(1916)
覚悟理論の必然的な結論を受け入れるとき