わたしはくちびるにべにをぬって、あたらしい白樺の幹に接吻した。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
切なさ誰かを愛したくて仕方ないとき
死の旅にも同時に出るのがわれわれ二人であるとあなたも約束したのだから
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(01 桐壺)」(1914)
恋慕愛する人を失いそうになって、一緒にいたいと切望するとき
私自身は、ナオミに惚れているのですから、どう思われても仕方がありません
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
開き直り全てを受け入れたとき
コケモモの真の味が知りたかったら牛童かシャコに聞くがよい。
ソロー森の生活」(1854)
発見文明の恩恵を疑う時
籠や鎌は捨てておいて、子だけ持って行くのだよ
森鷗外高瀬舟」(1916)
決意愛する人のために自分を犠牲にする決断をしたとき
人間は自分が恐ろしい悪党であるという事実を徹底的に感じた者でないと、苦労人とは言えない
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
哲学自分を見つめ直すとき
内供は人を見ずに、ただ、鼻を見た。
芥川龍之介」(1916)
孤独自分と同じ悩みを抱える人を必死に探しているとき
逆上は普通の人間を、普通の人間の程度以上につり上げて、常識のある者に、非常識を与える者である。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
驚愕怒りで我を失ったとき
私たち、これから本当に生きられるだけ生きましょうね……
堀辰雄風立ちぬ」(1938)
決意絶望的な状況でも前向きに生きようと決意するとき
私は本能的に感じた、私がもし生きるためには一日一食で十分だというのが発見されたら、人々は二食とることはなくなるだろう。
ソロー森の生活」(1854)
皮肉社会の慣習を疑問視する時
雲雀はきっと雲の中で死ぬに違いない。
夏目漱石草枕」(1906)
哀愁自然の美しさに感動したとき
世界が全体幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
宮沢賢治農民芸術概論綱要」(1926)
決意自分だけの幸せを求めがちなとき
ハハハ……、二十面相は童話の中の魔法使いです。だれにでもできないことを、実行してみせるのです。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)
狂気不可能を可能にする力を誇示するとき
自分で自分がわからない気もする中将だった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(33 藤のうら葉)」(1914)
困惑恋に悩んでいるとき
すると侍が、すらりと刀を抜いて、お母さんと子どもたちの前にやってきました。
新美南吉飴だま」(1943)
恐怖平穏だった状況が一変して危険を感じたとき
呪われた意地につきまとわれているゼラール中尉を憫まずにはいられなかった。
菊池寛」(1920)
哀愁頑固な人を見て複雑な気持ちになる時
人間というものは角の生えない、青白い顔や手足をした、何ともいえず気味の悪いものだよ。
芥川龍之介桃太郎」(1924)
恐怖普段とは逆の視点で物事を見直したいとき
この足を持つ女こそは、彼が永年探しあぐねた、女の中の女であろうと思われた。
谷崎潤一郎刺青」(1910)
恋慕運命の人を見つけたと確信したとき
親から子と次第に人間の価値は落ちていきまして、子は親ほどだれからも尊敬されず、愛されもしないのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(29 行幸)」(1914)
哀愁世代交代への不安を感じるとき
私の体を、しっかり抱いてもらいたかった。
太宰治葉桜と魔笛」(1939)
切なさ人生で体験できなかったことへの憧れを感じたとき