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荒い冬の海がうねりかえっていた。 波は暗い岩壁に打ちつけて、 白い泡をかんでは砕けた。
有島武郎「生れ出づる悩み」
背景解説
有島の自然描写は本当にすごい。冬の北海道の海って、東京の人間には想像もつかない荒々しさ。この海に命がけで出ていく漁師たちの現実。「君」はこの過酷な環境の中で生きながら、絵を描き続ける。自然の描写がそのまま「君」の内面の荒れ狂う感情を映してる。
荒海は、心の中の嵐でもある。
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『生れ出づる悩み』の他のひとふみ
君よ、つよく生きよ。
有島武郎
生れ出づる悩みを持つ者は、 その悩みの故に高い。
有島武郎
自然は美しかった。 恐ろしく美しかった。
有島武郎
君の眼はそこいらの画家の眼とは まるでちがっていた。 ぎらぎらと燃えていた。
有島武郎
海は君を呼んでいた。 そしてカンヴァスもまた 君を呼んでいた。
有島武郎
しかし君は描かずにはいられなかった。 描くことが君の呼吸であった。
有島武郎
君の絵には学問がなかった。 しかし命があった。
有島武郎
芸術は長く、人生は短い。 しかし人生なくして 芸術はあり得ない。
有島武郎
君よ、自棄するなかれ。 世に生れ出づる悩みを 持てるものは幸いなるかな。
有島武郎
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