侍はそれを舟のへりに乗せ、刀でぱちんと二つに割りました。
新美南吉飴だま」(1943)
真の貴族は、あんな岩島みたいな下手な気取り方なんか、しやしないよ。
太宰治斜陽」(1947)
天主閣は、明治の新政府に参与した薩長土肥の足軽輩に理解されるべく、あまりに大いなる芸術の作品であるからである。
芥川龍之介魔術」(1920)
皆源氏の君と恋する心がもたらした罪だ、その人への愛を今自分は根底から捨てなければならない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(09 葵)」(1914)
私はもうこの世にはいないでしょう。とっくに死んでいるでしょう。
夏目漱石こころ」(1914)
晩に新しい下駄をおろすと狐がつくというよ
新美南吉」(1943)
時はわたしが釣りに行く小流れにすぎない
ソロー森の生活」(1854)
この世はこんな不公平なものなのかと思って末摘花は恨めしく苦しく切なく一人で泣いてばかりいた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(15 蓬生)」(1914)
洪水のようにあふれて来たこの勢いを今は何者もはばみ止めることができない
島崎藤村破戒」(1906)
私は生まれて五十年、人の金を一銭でも借りたことはない
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
朝御飯が一番おいしくなるようにならなければ
太宰治斜陽」(1947)
ハハハ……、二十面相は童話の中の魔法使いです。だれにでもできないことを、実行してみせるのです。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)