無常の人世では、仮の別れが永久の別れになるかも知れない
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(12 須磨)」(1914)
無常人生の不確実さを痛感するとき
前にはあのようにあからさまには笑わなかった。
芥川龍之介」(1916)
困惑期待していた変化が裏目に出たとき
百年はもう来ていたんだな
夏目漱石夢十夜」(1908)
覚悟長い期間の待機や努力を続けてきたとき
人よりはすぐれた風采のこの公子も、源氏のそばで見ては桜に隣った深山の木というより言い方がない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(07 紅葉賀)」(1914)
美への憧憬自分の美しさに自信を持てないとき
ああ、真の美の人を動かすことはあのとおりさ。
泉鏡花外科室」(1895)
畏怖本物の美しさに出会ったとき
母は私にも別れの言葉もいうひまもなかったのか、それきり私は会えなかった。
室生犀星幼年時代」(1919)
哀愁大切な人を突然失ったとき
これがおばあさまか、これがお父さんか、お母さんかと驚くほどにみんな変わっていた。
有島武郎生れ出づる悩み」(1918)
驚き非常事態で身近な人の別の面を見たとき
文六ちゃんがコンと咳をした!
新美南吉」(1943)
恐怖些細なことが大きな不安に変わるとき
富士山、さようなら、お世話になりました。
太宰治富嶽百景」(1939)
ユーモア別れの瞬間に込めた想いを表すとき
若い二人の恋が愈いよいよ人目に余るようになったのはこの頃であった。
田山花袋蒲団」(1907)
不安隠し事がばれそうになったとき
未来の天才は、まだそれらの実の中に何人いるかも分からないまま眠っている。
芥川龍之介桃太郎」(1924)
畏怖可能性について思いを馳せるとき
熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より頭の中の方が広いでしょう
夏目漱石三四郎」(1908)
覚醒汽車で見知らぬ男と会話するとき
だれよりも優秀な人臣と見えるだけである。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(29 行幸)」(1914)
失望理想と現実のギャップに直面したとき
こいつはどうだ、やっぱり世の中はうまくできているねえ。
宮沢賢治注文の多い料理店」(1924)
皮肉都合の良い解釈で現実を見誤っているとき
私はこの苦しみに堪えられないと思う。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(14 澪標)」(1914)
恋慕会えない人への想いが募りすぎたとき
安寿恋しや、ほうやれほ。厨子王恋しや、ほうやれほ。
森鷗外高瀬舟」(1916)
哀愁失ったものへの想いが溢れ出るとき
俺の父親は俺が八歳になるまで家を外に飲み歩いていたのだ。
菊池寛藤十郎の恋」(1919)
哀愁過去の記憶を整理し真実を語るとき
鹿の回りはだんだんゆるやかになり
宮沢賢治やまなし」(1923)
静寂激しい動きが静寂に変わるとき
ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは。
新美南吉ごんぎつね」(1932)
覚悟真実に気づいたときの後悔
住吉の神が導いてくださるのについて、早くこの浦を去ってしまうがよい。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(13 明石)」(1914)
希望運命の転機を迎えようとするとき