私は依然として未知の世界にいる未知の私であった。
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)
草花の一枝を枕元に置いて、それを正直に写生していると、造化の秘密が段々分って来るような気がする。
正岡子規病床六尺」(1902)
上なら、人がいたにしても、どうせ死人ばかりである。
芥川龍之介羅生門」(1915)
何人男を代えてもつづまるところ、たった一人の男を求めているに過ぎないのだね。
岡本かの子老妓抄」(1938)
ただ生死の別れだけが私たちを引き離すものだと思います。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(23 初音)」(1914)
あなたは死という事実をまだ真面目に考えたことがありませんね。
夏目漱石こころ」(1914)
お前さんは真っ先に私の肥料になったんだねえ
谷崎潤一郎刺青」(1910)
私は決して寂しく感ぜず、また孤独感で少しでも圧迫されたことはなかった
ソロー森の生活」(1854)
人間は恋と革命のために生まれて来たのだ。
太宰治斜陽」(1947)
夜になると毎晩家うちの前で立っていたんじゃが、敷居が高うて入れなかった
菊池寛父帰る」(1917)
ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは。
新美南吉ごんぎつね」(1932)