ずるけてサボるんでねえんだ。働けねえからだよ
小林多喜二蟹工船」(1929)
悲しみ, 怒り労働者が自分の限界を突きつけられたとき
女は首が関り合いのある人間のものであるかないかということは全く念頭にはないようでした。それは蒐集家の態度にすぎませんでした。
坂口安吾桜の森の満開の下」(1947)
戦慄、狂気人間の残酷さに直面したとき
……空前の……空前の犯罪事件……僕が関係した……
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)
恐怖、混乱自分の過去が謎に包まれていることに気づいたとき
そのまた向うには夕焼けの空の下に、 ぼんやり薄紫に横たわっている海さえ見えた。
芥川龍之介トロッコ」(1922)
切なさ美しい景色が逆に寂しく感じるとき
本当のことを云えば、そんな先きの成算なんて、どうでもいいんだ。――死ぬか、生きるか、だからな
小林多喜二蟹工船」(1929)
悲壮感、覚悟、絶望的な決意すべてを失って、最後の決断を迫られたとき
堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。
坂口安吾堕落論」(1947)
決意底まで落ちてしまった時、どう前に進むか迷っているとき
南無釈迦牟尼仏
宮沢賢治雨ニモマケズ」(0)
切なさこの世界の本質に向き合いたいとき
どこまでも世間を出る事が出来ぬのが彼らの特色である。
夏目漱石草枕」(1906)
諦観、批判、解脱への願望既存の価値観や社会的束縛から抜け出したいとき
おれは逃げも隠(かく)れもせん。今夜五時までは浜の港屋に居る。用があるなら巡査(じゅんさ)なりなんなり、よこせ
夏目漱石坊っちゃん」(1906)
決意不正に立ち向かい、潔く決別を宣言したいとき
もしこの二人の物理学者が彼等のすべての器械を用いて、一人は静止せる実験室のなかで、もう一人は汽車のなかで、すべての自然法則を研究するならば、汽車が動揺せずに一様に走る限り、彼等は全く同じ自然法則を見出すでありましょう。
アインシュタイン相対性理論」(1916)
知的興奮物理学の面白さに触れたいとき
……ここはたしかに九州帝国大学の中の精神病科の病室に違いない。そうして私は一個の精神病患者として、この七号室? に収容されている人間に相違ないのだ。
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)
現実の受容, 衝撃, 混乱自分の置かれた状況を冷徹に認識しようとするとき
美しいうちに死んでくれて良かったような気がした。
坂口安吾堕落論」(1947)
複雑な悲しみ、葛藤大切な人を失ったとき、あるいは人生の選択肢について考えるとき
それでは、人びとはもう彼が何をいっているのかわからなかったのだ。自分の言葉ははっきりと、さっきよりもはっきりとしているように思えたのだが、おそらくそれは耳が慣れたためなのだろう。
フランツ・カフカ変身」(0)
孤独, 絶望必死に説明しようとしても誰にも理解されないとき
あの偉大な破壊の下では、運命はあったが、堕落はなかった。無心であったが、充満していた。
坂口安吾堕落論」(1947)
喜び, 希望, 清潔感今の世の中に失望し、本質的な生き方を求めたいとき
ああ、暑、暑! どうだった、譲治さん、あたしの踊るのを見ていた?
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
喜び自分の成功を確認したいとき
庄兵衛はこの男を島へ送ることが果して是(ぜ)であろうかという疑を持った。
森鷗外高瀬舟」(1916)
葛藤、疑問法律と人情の間で引き裂かれるとき
ああここにおれの進むべき道があった! ようやく掘り当てた!
夏目漱石私の個人主義」(1914)
解放感長い迷いの末に自分の道を見つけたとき
人間は生まれながらにして 自由であり平等であるという。 それならば何故私は このように苦しまねばならぬのか。
島崎藤村破戒」(1906)
怒り不条理に怒りを感じるとき
戒めは破られた。 しかし丑松の心は 不思議に晴れやかであった。
島崎藤村破戒」(1906)
解放重荷を下ろした瞬間
その途端に眼が覚めると、私はやはり、あの椅子に腰をかけたまま、暖炉の前に坐っていました。
芥川龍之介魔術」(1920)
衝撃、虚脱自分の弱さを突きつけられたとき