文六ちゃんがコンと咳をした!
新美南吉」(1943)
恐怖些細なことが大きな不安に変わるとき
はなやかな御生活をなさったことも皆過去のことになって。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(28 野分)」(1914)
無常人生の盛りが過ぎ去ったとき
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
中原中也山羊の歌」(1934)
郷愁なんとも言えない懐かしさに包まれたとき
この糸にすがりついて、どこまでも登って行けば、きっと地獄から抜け出せるに違いありません。
芥川龍之介蜘蛛の糸」(1918)
希望絶望の淵で一筋の光を見出したとき
ああ寒い。今年こそもう商売のうまくいく自信が持てなくなった
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(04 夕顔)」(1914)
哀愁贅沢な暮らしから離れた現実の厳しさを知ったとき
さっき一度紙くずのようになった二人の顔だけは、もう元の通りに治りませんでした。
宮沢賢治注文の多い料理店」(1924)
諦念取り返しのつかない過ちを犯してしまったとき
新しくせねばならぬと思うところの旧いものは、未練気なく斥けてしまわねばならぬのである。
幸田露伴努力論」(1912)
覚悟自分を変えたいと思いながらも古い習慣に縛られているとき
ああ、真の美の人を動かすことはあのとおりさ。
泉鏡花外科室」(1895)
畏怖本物の美しさに出会ったとき
私には思想なんてものはありませんよ。好き、嫌いだけですよ。
太宰治黄金風景」(1939)
皮肉複雑な理屈や理論に疲れたとき
私はもうこの世にはいないでしょう。とっくに死んでいるでしょう。
夏目漱石こころ」(1914)
恐怖手紙を読んでいるとき
私は長年の間苦悩した結果ようやく自分のつるはしをがっちりと鉱脈に掘り当てたような気がしたのです。
夏目漱石私の個人主義」(1914)
喜び長い努力が実を結んだとき
新政府の信用も、まだそんなに民間に薄いのか
島崎藤村破戒」(1906)
落胆理想と現実のギャップに直面したとき
嘉十は本当に自分の耳を疑いました。
宮沢賢治やまなし」(1923)
驚き常識が覆される瞬間
しかし東京ないし大阪のようになるということは、必ずしもこれらの都市が踏んだと同一な発達の道筋によるということではない。
芥川龍之介魔術」(1920)
希望地方都市の発展可能性について考えるとき
有明の君は短い夢のようなあの夜を心に思いながら、悩ましく日を送っていた
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(08 花宴)」(1914)
恋慕忘れられない一夜を思い返すとき
真の貴族は、あんな岩島みたいな下手な気取り方なんか、しやしないよ。
太宰治斜陽」(1947)
誇り偽物と本物を見分けたいとき
楽しいことは、常に容易ならないものを、その背中に担っているはずである。
中井正一美学入門」(1941)
慈愛努力の意味を見失いそうになったとき
針の痕は次第次第に巨大な女郎蜘蛛の形象を備え始めた。
谷崎潤一郎刺青」(1910)
静寂何かが静かに完成に向かっているとき
そういうお前であるのなら、私はお前がもっともっと好きになるだろう。
堀辰雄風立ちぬ」(1938)
慈愛愛する人の弱さを愛おしく思うとき
私が死んでしまったあとであなたはどうなるのだろう
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(05 若紫)」(1914)
不安大切な人の将来を案じるとき