隴西(ろうさい)の李徴(りちょう)は学問に優れ、……
中島敦山月記」(1942)
さくら散る春の夕のうすぐもの涙となりて落つる心地に     (晶子)冬になって来て川沿いの家にいる人は心細い思いを……
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(19 薄雲)」(1914)
むらさきのふぢばかまをば見よといふ二人泣きたきここち覚えて (晶子)尚侍(なないし=宮中に仕える高位の女官)になっ……
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(30 藤袴)」(1914)
私と親しいある老科学者が、ある日私に次のようなことを話して聞かせた。
寺田寅彦科学者とあたま」(1933)
近頃私は死というものをそんなに恐ろしく思わなくなった。
三木清人生論ノート」(1941)
ヘルンが日本に来たのは、明治二十三年の春でした。
小泉節子思い出の記」(1908)
○病床六尺、これが我世界である。
正岡子規病床六尺」(1902)
半年のうちに世相は変わった。
坂口安吾堕落論」(1947)
そのとき西のぎらぎらのちぢれた雲のあいだから、……
宮沢賢治やまなし」(1923)
薦める詞昔私の濁った目に早く浮かんだことのあるよろめく姿たちよ。
ゲーテファウスト」(1808)
良い菊の苗が、どこかにあると聞けば、どのような無理な算段をしても、必ずこれを買い求めた。
太宰治畜犬談」(1939)
これはある精神病院の患者、――第二十三号が誰にでもしゃべる話である。
芥川龍之介河童」(0)
その子二十(はたち)櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな
与謝野晶子みだれ髪」(1901)
旅が単なる「同一空間における同一事物の移動」にすぎないことを教えてくれた。
萩原朔太郎猫町」(1935)
私の新体制も、ロマンチシズムの発掘以外にはないようだ。
太宰治畜犬談」(1939)
「参謀本部編纂の地図をまた繰り開いて見るでもなかろう、……
泉鏡花高野聖」(1900)
親から受け継いだ無鉄砲な性格で、子供の頃から損ばかりしている。
夏目漱石坊っちゃん」(1906)
うとうととして目が覚めると、女はいつの間にか、隣のじいさんと話を始めている。
夏目漱石三四郎」(1908)
天地に春新しく来たりけり光源氏のみむすめのため     (晶子)源氏が十一歳の姫君の裳着の式(もぎのしき=女子の成……
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(32 梅が枝)」(1914)