俺の父親は俺が八歳になるまで家を外に飲み歩いていたのだ。
菊池寛藤十郎の恋」(1919)
娘は、赤いろうそくを、自分の悲しい思い出の記念に、二、三本残していったのです。
小川未明赤い蝋燭と人魚」(1921)
それから、また元のところに帰って、こっくりこっくり眠り始めました。
新美南吉飴だま」(1943)
富を得ていながら、欠けた事を思うほど、苦しい事は世間にない。
ゲーテファウスト」(1808)
二年の後には、激しく往復する踏み木が睫毛(まつげ)をかすめても、絶えて瞬くことがなくなった。
中島敦名人伝」(1942)
狂つた智恵子は口をきかない ただ尾長や千鳥と相図する
高村光太郎智恵子抄」(1941)
自分の意志を中尉の意志の奴隷にするのと、あまり変わらないこと
菊池寛」(1920)
汚れつちまった悲しみに今日も小雪の降りかかる
中原中也山羊の歌」(1934)
足あり、仁王の足の如し。足あり、他人の足の如し。
正岡子規病床六尺」(1902)
うき身世にやがて消えなば尋ねても草の原をば訪はじとや思ふ
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(08 花宴)」(1914)
貧乏でも人にへつらわない、富んでも人に驕らない。
下村湖人現代訳論語」(1949)
今まで仲のよかった旅人が仲が悪くなり、相手の友情を信用しなくなります。
坂口安吾桜の森の満開の下」(1947)