人間三百六十五日、何の心配もない日が、一日、いや半日あったら、それは幸せな人間です。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
私は愛することはなかなかできないけれど私は愛せねばならない。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
上なら、人がいたにしても、どうせ死人ばかりである。
芥川龍之介羅生門」(1915)
自分が消えてしまわなければならないのだという彼の考えは、おそらく妹の意見よりももっと決定的なものだった。
フランツ・カフカ変身」(0)
時代に順応しようとする人ばかりですから、昔のことを言うのに話し相手がだんだん少なくなってまいります。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(11 花散里)」(1914)
母は私にも別れの言葉もいうひまもなかったのか、それきり私は会えなかった。
室生犀星幼年時代」(1919)
もし、僕が、本当に狐になっちゃったらどうする?
新美南吉」(1943)
洪水のようにあふれて来たこの勢いを今は何者もはばみ止めることができない
島崎藤村破戒」(1906)
人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。
太宰治走れメロス」(1940)
なぜ女王を宮中へ入れるようなよけいなことを自分は考えついてお心を悩ます結果を作ったのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
さっき一度紙くずのようになった二人の顔だけは、もうもとのとおりになおりませんでした。
宮沢賢治山越え」(1921)
私は策略で勝っても人間としては負けたのだ
夏目漱石こころ」(1914)
恋しい藤壺の宮によく似ているからだと気がついた瞬間にも、思慕の涙が熱く頬を伝わった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(05 若紫)」(1914)
あの人は棺に入らないで回転窯の中へ入ってしまいましたわ。
葉山嘉樹セメント樽の中の手紙」(1926)