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けれども、私は偉大な破壊が好きであった。私は爆弾や焼夷弾(しょういだん)に戦(おのの)きながら、狂暴な破壊に劇(はげ)しく亢奮(こうふん)していたが、それにも拘らず、このときほど人間を愛しなつかしんでいた時はないような思いがする。
坂口安吾「堕落論」(1947)
矛盾, 愛情, 覚醒
死を覚悟しながらも人生の本質を問い直したいとき
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生きることは、もっとわけの分らぬものだ。
坂口安吾「堕落論」(1947)
困惑、諦観、深い思索
人生の意味や目的について迷ったとき
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閻魔大王はにやにや笑いながら、何か又ほかの鬼どもに命令をしました。するとその鬼どもに引き立てられて、地獄の罪人が二人、息も絶え絶えに彼の前へやって来ました。――その罪人を一目見た時、杜子春は思わず声を立てそうになりました。なぜと云えばその二人の罪人は、外でもない彼の父と母とだったからです。
芥川龍之介「杜子春」(1920)
衝撃、悲しみ
最も大切な人が傷つけられるのを目の当たりにするとき
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人の貴きにあらず、国法の貴きなり。
福沢諭吉「学問のすすめ」(1872)
覚醒、価値転換
身分や地位の本質について考えるとき
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私死にましたの知らせ、要りません。若し人が尋ねましたならば、はああれは先頃なくなりました。それでよいです
小泉節子「思い出の記」(1908)
潔さ, 静寂への憧憬
自分の死後、周囲が悲しむことを望まないとき
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表の大通りには往来が絶えない。声高に話し合って、カラカラと日和下駄を引きずって行くのや、酒に酔って流行唄をどなって行くのや、至極天下泰平なことだ。そして、障子一重の家の中には、一人の女が惨殺されて横わっている。何という皮肉だ。
江戸川乱歩「D坂の殺人事件」(1925)
無常感、虚無感
日常と非日常の境界に直面したとき、世界の不条理を感じたいとき
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おれは無論いい加減に聞いていたが、途中からこれは飛んだ所へ来たと思った。
夏目漱石「坊っちゃん」(1906)
後悔、絶望
校長の長い説教を聞いて、自分の人生の選択を後悔したとき
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つまり卒業はお前に取ってより、このおれに取って結構なんだ。解ったかい
夏目漱石「こころ」(1914)
切なさ, 愛情
親の死を覚悟した父の真摯な思いを初めて理解するとき
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永遠は現在の一瞬にある。刻下に道に生きる心こそ、生死を乗りこえて永遠に生きる心なのだ。
下村湖人「論語物語」(1938)
悟り
将来の不安に押しつぶされそうなとき
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生れ出づる悩みを持つ者は、 その悩みの故に高い。
有島武郎「生れ出づる悩み」(1918)
希望
自分の苦しみに意味を見出したいとき
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その途端に眼が覚めると、私はやはり、あの椅子に腰をかけたまま、暖炉の前に坐っていました。
芥川龍之介「魔術」(1920)
衝撃、虚脱
自分の弱さを突きつけられたとき
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美しいうちに死んでくれて良かったような気がした。
坂口安吾「堕落論」(1947)
複雑な悲しみ、葛藤
大切な人を失ったとき、あるいは人生の選択肢について考えるとき
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……彼女がもし生きていたならば、今はもうどんなに美しい女になっていたことだろう。
堀辰雄「風立ちぬ」(1938)
哀惜
もう会えない人のことを想うとき
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小事、小事が大事だ! こういう小事が、往々万事を打ちこわすのだ
ドストエフスキー「罪と罰」(0)
焦燥感と緊張
細部の重要性を痛感し、計画の成否が些細なことに左右されることに気づいたとき
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ナオミは私が事実発狂したかと思ったようでした。彼女の顔はその時一層、どす黒いまでに真っ青になり、瞳を据えて私を見ている眼の中には、殆(ほとん)ど恐怖に近いものがありました。
谷崎潤一郎「痴人の愛」(1924)
狂気、支配への絶望
愛する者によって完全に支配されてしまった自分を認識するとき
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武蔵野に散歩する人は、 道に迷うことを苦にしてはならない。
国木田独歩「武蔵野」(1898)
解放感
迷うことを恐れているとき
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世間は常にお前たちの味方ではない事を心に銘じなければいけない。
有島武郎「小さき者へ」(1918)
覚悟
世の中の厳しさを知ったとき
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私たちの恥を 見せてあげよう
太宰治「斜陽」(1947)
覚悟
弱さをさらけ出す勇気がいるとき
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私は生きている。――そうだ、それだけで充分じゃないか。
堀辰雄「風立ちぬ」(1938)
覚悟
すべてを失っても前を向くとき
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二人は何度も商売に手を出しては 失敗した。しかし二人でいる限り、 不思議と世の中が 終わった気はしなかった。
織田作之助「夫婦善哉」(1940)
安心
何度失敗しても隣にいてくれる人がいるとき
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