俺は総領で家督をしているが、どうかして難しい家の養子になってみたい。
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
あいつはいつも歪んだ顔をして、窓のそばに突っ立っている。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
しらじらと夜が明けていたのである。
太宰治」(1947)
貧にしてへつらわず富んで驕らないというのが、その極致で。
下村湖人論語物語」(1938)
こんな処にいるけれど、世帯持は上手なのよ。
永井荷風濹東綺譚」(1937)
全く、どんな事でも起こり得るのだと思って、深く恐れた。
中島敦山月記」(1942)
鏡は自惚れの醸造器であるごとく、同時に自慢の消毒器である
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
汚れつちまった悲しみに今日も小雪の降りかかる
中原中也山羊の歌」(1934)
おれは食欲があるが、あんなものはいやだ。
フランツ・カフカ変身」(0)
音楽にこんなに心を奪われていても、彼は動物なのだろうか。
フランツ・カフカ変身」(0)
努力は功の有無によって、これを敢えてすべきか否かを判断すべきものではない。
幸田露伴努力論」(1912)
一切の無常なるものは ただ影像たるに過ぎず。
ゲーテファウスト」(1808)
いや、賊自身でも、ほんとうの顔を忘れてしまっているのかもしれません。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)
笑ってくれ。詩人になりそこなって虎になった哀れな男を。
中島敦山月記」(1942)