❝
有明の君は短い夢のようなあの夜を心に思いながら、悩ましく日を送っていた
紫式部(与謝野晶子訳)「源氏物語(08 花宴)」(1914)
❝
我はわが咎を知る。わが罪は常にわが前にあり
夏目漱石「三四郎」(1908)
❝
昨日の正しさが今日の誤りになる、そういう瞬間瞬間の感覚を、ペンで写して誰に見せるのか。
森鷗外「舞姫」(1890)
❝
目に見えているものが、いっとう神秘である。
中井正一「美学入門」(1941)
❝
私、豊太郎、お前はここまで俺をだましたのか。
森鷗外「舞姫」(1890)
❝
僕ハ結婚後始メテ、自分ノ妻ノ全裸体ヲ、ソノ全身像ノ姿ニオイテ見タノデアル。
谷崎潤一郎「鍵」(1956)
❝
人をばかにしていやがる、こんな所に我慢が出来るものかと思ったが仕方がない。
夏目漱石「坊っちゃん」(1906)
❝
親から子と次第に人間の価値は落ちていきまして、子は親ほどだれからも尊敬されず、愛されもしないのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)「源氏物語(29 行幸)」(1914)
❝
いかなる小事にあたっても、なにかことをなすときは、ちょっと退いて考えたい。
新渡戸稲造「自警録」(1916)
❝
あまりまじめ一方で、最後まで女らしく書かれていないのが悪いと思うのですよ。
紫式部(与謝野晶子訳)「源氏物語(25 蛍)」(1914)
❝
狐に化かされるという状態は、つまり心理学者のいう三半規管の疾病であるのだろう。
萩原朔太郎「猫町」(1935)
❝
「厨子王」という叫びが女の口から出た。二人はぴったり抱き合った。
森鷗外「高瀬舟」(1916)
❝
「いき」は恋の束縛に超越した自由なる浮気心でなければならぬ。
九鬼周造「「いき」の構造」(1930)
❝
音楽にこんなに心を奪われていても、彼は動物なのだろうか。
フランツ・カフカ「変身」(0)
❝
かかる生きた眼によって見る光が、初めて明るい光、暗い光、燃える紅、しみ入る大空の自由の青さを見ることができるのである。
中井正一「美学入門」(1941)