有明の君は短い夢のようなあの夜を心に思いながら、悩ましく日を送っていた
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(08 花宴)」(1914)
私は生きなかったということを発見することがないように欲したからである
ソロー森の生活」(1854)
僕は甘んじて女王さまの奴隷になります。どんないやしい仕事でもします。
江戸川乱歩黒蜥蜴」(1934)
あの口笛も、ひょっとしたら、父の仕業ではなかったろうか
太宰治葉桜と魔笛」(1939)
我輩は新年来多少有名になったので、猫ながらちょっと鼻が高く感じられる
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
いいえ、あなただから、あなただから
泉鏡花外科室」(1895)
よごれたる手をみる――ちゃうどこの頃の自分の心に対うがごとし。
石川啄木悲しき玩具」(0)
人間というものは角の生えない、青白い顔や手足をした、何ともいえず気味の悪いものだよ。
芥川龍之介桃太郎」(1924)
何のことだろう、殿様の頭でも踏みはしないだろう。
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
何になっても、人間らしい、正直な暮らしをするつもりです。
芥川龍之介杜子春」(1920)
君の杖を立ててその倒れた方に往きたまえ。
国木田独歩武蔵野」(1898)
回という人間は決して馬鹿ではないのだ。
下村湖人現代訳論語」(1949)
とほい空でぴすとるが鳴る。またぴすとるが鳴る。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)