おれは食欲があるが、あんなものはいやだ。あの人たちはものを食べて栄養を取っているのに、おれは死ぬのだ!
フランツ・カフカ変身」(0)
孤独, 絶望, 悲しみ自分の存在意義を失い、世界から取り残されたと感じたとき
理智は吾人に教へて曰く、運命流行の原則は、運命其物のみ之を知る。たゞ運命と人力との關係に至つては我能く之を知ると。
幸田露伴努力論」(1912)
冷静運命のせいにしたくなったとき
外には、ただ、 黒洞々たる夜が あるばかりである。
芥川龍之介羅生門」(1915)
虚無すべてが終わったあとに
嘘こけ! そんだったら、俺なんて社長になってねかならないべよ
小林多喜二蟹工船」(1929)
怒り, 諦観支配者の嘘に気づいたとき、搾取に気づいたとき
これは恐ろしいディレンマです。ところがよく考えると自然はこのディレンマには全く負い目をもってはいないので、むしろこのディレンマは私達がその考察のなかに、黙って勝手に仮定をつくっていたことから起るのです。
アインシュタイン相対性理論」(1916)
発想の転換解決不能に見える問題に直面したとき
どうせぼくらには、骨も分けて呉(く)れやしないんだ。
宮沢賢治山越え」(1921)
絶望, 諦観, 怒り自分たちの無力さを痛感したとき
「お母さん。」と一声叫んだと思うと、杜子春の体はもう何時の間にか、元の洛陽の西の門の下に、夕日を浴びて、ぼんやり佇んでいたのです。
芥川龍之介杜子春」(1920)
愛、解放理屈を超えた感情が溢れ出す瞬間
二百文の鳥目を島へ持って行く事が出来る。この金はお上からいただいたものである。自分の物というものは、生まれてから持った事がない。それを今懐に持っている。
森鷗外高瀬舟」(1916)
切なさ、温かさ初めて自分だけのものを手にしたとき
庄兵衛はこの男を島へ送ることが果して是(ぜ)であろうかという疑を持った。
森鷗外高瀬舟」(1916)
葛藤、疑問法律と人情の間で引き裂かれるとき
いかに多くの偽なるものを私は、若い頃、真なるものとして認めたか、またそれを基としてその後私がその上に建てたあらゆるものがいかに疑わしいものであるか
デカルト省察」(1641)
知的覚醒これまでの価値観が揺らいだとき
百年待っていて下さい
夏目漱石夢十夜」(1908)
決意, 切なさ愛する者との永遠の約束を交わしたいとき
美しく生きたいと思います。
太宰治女生徒」(1939)
決意自分を変えたいと思ったとき
こんなとこにおかしいね。
宮沢賢治山越え」(1921)
違和感, 戸惑い予期しない出来事に遭遇したとき
非人情がちと強過ぎたようだ。
夏目漱石草枕」(1906)
自嘲、切なさ、悟り高い理想を掲げたはずなのに、現実の前に挫折するとき
面白い時には、世界中が面白く、悲しい時には世界中が悲しい
小泉節子思い出の記」(1908)
没入、感情移入ヘルンの人間性の本質を理解したいとき、感情的に揺さぶられたいとき
喜びの深きとき憂いよいよ深く、楽みの大いなるほど苦しみも大きい。
夏目漱石草枕」(1906)
悲しみ、深い洞察人生の喜怒哀楽の矛盾に気づいたとき、幸福と不幸が表裏一体であることを感じたとき
形体以外の活動を見る能(あた)わざる者に向って己霊(これい)の光輝を見よと強(し)ゆるは、坊主に髪を結(い)えと逼(せま)るがごとく、鮪(まぐろ)に演説をして見ろと云うがごとく、電鉄に脱線を要求するがごときものである。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
怒り, 諦観, ユーモア自分の努力が報われず、他者に理解されないと感じたとき
私は妻には何にも知らせたくないのです。妻が己れの過去に対してもつ記憶を、なるべく純白に保存しておいてやりたいのが私の唯一の希望なのですから
夏目漱石こころ」(1914)
切なさ愛する者を傷つけたくないと思ったとき、また自分の秘密を抱えて孤独を感じるとき
海蔵は自分がはずかしくなりました。
新美南吉牛をつないだ椿の木」(1943)
恥、気づき自分の小ささに気づいた瞬間
糞(ふん)はどこぞに着いておらぬかと眺(なが)めて見たが、それは箱のなかに取り残されていた
夏目漱石草枕」(1906)
諦観, 黒い笑い日常の非情さに直面したとき