壮二君は今、拙宅のつめたい地下室にとじこめられて、暗やみの中でシクシク泣いております。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)
恐怖, 悲しみ大切な人が危険に晒されたことを知ったとき
あの子はわたしにさえも、余計な心配をさせまいと思って、しじゅう手紙のやりとりをしていながら、何一つ書いてよこさなかったくらいです。
ドストエフスキー罪と罰」(0)
切なさ、感動愛する者の献身に気づいたとき
ただ懲役に行かないで生きているばかりである。
夏目漱石坊っちゃん」(1906)
虚無, 悲しみ, 諦念人生の意味を問いたくなったとき
人間の能力は決して計算ずみではない。またわれわれはどれかの前例によってそれの能力を判断すべきではない。まだ試みられた部分はいかにも少ないのである。
ソロー森の生活」(1854)
希望自分の可能性を信じられなくなったとき
お父さんの蟹は遠めがねのような両方の眼をあらん限り延ばして言いました。
宮沢賢治やまなし」(1923)
温かさ、ユーモア親の愛情を感じたいとき
自分ばかり地獄からぬけ出そうとする、陀多の無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰をうけて、元の地獄へ落ちてしまったのが、御釈迦様の御目から見ると、浅間しく思召されたのでございましょう。
芥川龍之介蜘蛛の糸」(1918)
悲しみ、虚無感他者を踏みにじってまで自分だけ救われようとしたとき
嗚呼、彼も一時。舟の横浜を離るるまでは、天晴豪傑と思ひし身も、せきあへぬ涙に手巾を濡らしつるを我れ乍ら怪しと思ひしが、これぞなか/\に我本性なりける。
森鷗外舞姫」(1890)
自己認識、孤独、切なさ自分の弱さに気づき、本当の自分を直視したいとき
自分ばかり地獄からぬけ出そうとする、陀多の無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰をうけて、元の地獄へ落ちてしまったのが、御釈迦様の御目から見ると、浅間しく思召されたのでございましょう。
芥川龍之介蜘蛛の糸」(1918)
悲しみ、虚無感自分の利益のために他者を切り捨てたとき、罪悪感に苦しむとき
朝は、いつでも自信がない。
太宰治女生徒」(1939)
孤独朝、自分に自信が持てないとき
この世の中はけっして悪魔が支配する世の中にあらずして、神が支配する世の中であることを信ずることである
内村鑑三後世への最大遺物」(1897)
希望世の中が悪い方向に進んでいると感じたとき
行け。勇んで。小さき者よ。
有島武郎小さき者へ」(1918)
激励背中を押してほしいとき
身も独立し、家も独立し、天下国家も独立すべきなり。
福沢諭吉学問のすすめ」(1872)
決意自分の人生を切り開きたい、社会に貢献したいと思ったとき
おれはもうこうしたことのすべてを我慢できなくなるだろう
フランツ・カフカ変身」(0)
絶望、限界自分の部屋から動けず、大切なものが次々と持ち出されていくのを見守るしかないとき
我を救ひ玉へ、君。わが恥なき人とならんを。
森鷗外舞姫」(1890)
切なさ、絶望、哀願人生の岐路に立たされ、誰かに助けを求めたいとき
こんな船にいるよりいっそ身を投げて死んでしまおうかと思った。
夏目漱石夢十夜」(1908)
絶望、虚無感人生に疲れ果て、全てが無意味に思えたとき
私はこの世に生れた以上何かしなければならん、といって何をして好いか少しも見当がつかない
夏目漱石私の個人主義」(1914)
共感将来の方向性が見えず不安なとき
林を出て広い畑に出ると、 からりと晴れた空が頭の上に展開し、 秋の日が一面にきらめいていた。
国木田独歩武蔵野」(1898)
開放感閉塞感から抜け出したとき
わたしはもう生きていけません。
新美南吉でんでんむしのかなしみ」(1935)
絶望自分の中の悲しみに押しつぶされそうなとき
「その剃刀を抜いてくれ。己(おれ)は早く死にたいのだ。」と云った。
森鷗外高瀬舟」(1916)
絶望、懇願苦しみから解放されたいと願う人に向き合うとき
一体十五六の少女の気持と云うものは、肉親の親か姉妹ででもなければ、なかなか分りにくいものです。
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
困惑, 不安, 問い相手を本当に理解できないことに気づくとき